紫蘇とは?
紫蘇(シソ)シソ目 シソ科 シソ属 シソの一年草。
縄文時代、2500年前の土器からも種子が発見されている歴史が古く身近なハーブです。
独特の香りから、昔から薬味として使われ、油成分や解毒作用が活用されてきました。
効能・薬効
- 発汗、下熱、鎮咳薬として用いられるほか、芳香が気をすーっとさせて鎮静効果があり、健胃整腸にもきく。
- ペリラアルデヒドやリモネンなどの精油成分を豊富に含むので、添えておくだけで防腐作用があるとも言われる。
- 気分が優れず、イライラ、ヒステリー、不眠に、精神が安定してよく眠れる。
- 漢方では葉が蘇葉(そよう)と言われ、気のうっ血を発散し、気分を明るくする、蟹の毒を解くと言われ、神秘湯(気管支喘息の薬)や、半夏厚朴湯などに配合される。
- 漢方で種は「紫蘇子」(しそし)と言われ、汗を発し、咳を鎮め、利尿する効果がある。
- ペリアラルデヒドと言う、独特の香りの成分があり、赤しそはシアニンを含む。
利用方法
葉はそのまま生で食べられる他、ハーブティにする事もできます。
乾燥させて利用するには、6月から7月にかけて地上部を刈り取り、半日ほど天日干し(陽乾)したあと日陰干し(陰乾)します。
種は、10月頃に完熟した物を刈り取り、日陰干し(陰乾)して集めます。
葉を中医学的に利用するには、5g程度に水400ml、とろ火で煎じる。種は、6g程度に400mlで、半量になるまで煎じて利用します。
しその香り成分は裏側に
紫蘇の香り成分は、葉の裏側に多く含まれるので、香りを生かした食べ方をするときには、葉の裏側が表に来るように使うと良いでしょう。例えば、紫蘇巻きなどは裏側を外にだしたほうが香りよくいただけます。
香りを強く出すには刻む
紫蘇の香り成分や抗菌成分は刻むと多く出るため、薬味で楽しむ時には細かく刻みましょう。ただし酸化しやすいので使う分だけ直前に。
紫蘇トリビア
しそと南信州
紫蘇は非常に身近なハーブで、日本中で、もちろん南信州でも古くから育てられ、自生してきた植物です。
南信州では季候が非常にあっており、あえて育てなくても、落ちた種が芽吹き何年も生えて育つぐらい。
多くの田畑の畦に自生し、利用されている姿を見ることができます。
赤しそと青しそと「荏胡麻(エゴマ)」
紫蘇には赤しそと青じそがあります。それぞれ成分が異なり
- 赤しそ…赤色の成分で、ポリフェノールの一種シアニンが含まれる。クエン酸と反応して強く赤色になるので漬物の色づけに使われる。漢方では赤しそが基本。
- 青しそ…βカロテンが多く含まれ、重さあたりの量ではにんじんを上回ることも。青い風味もこちらの方が強い。
ちなみに、同じく健康に良いと注目される荏胡麻(エゴマ)もシソ科の仲間です。
「紫蘇」の語源
中国の後漢の時代、若者が蟹の食べ過ぎで食中毒を起こしたとき、華佗(中国の名医)がしその薬草を煎じ紫の薬を作り、それを用いたところ、若者はたちまち回復したことから。
そのために「よみがえる」「むらさき」が与えられて「紫蘇」という名前になったと言われるそうです。
紫蘇の葉と種
中医学では、紫蘇の葉は発散させる効果(解表)があり、毛穴を開かせて発汗させる効果があると言われています。
一方で、紫蘇の種は、下に作用する(降気)と言われ、咳など、逆流する事に作用し、咳止めなどに効果があるとされています。
写真について
写真は、Pohoto AC さまよりお借りしました。